海外の緑化事情

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第7回 フランス・パリの緑化事情

華やかな都パリ

花の都パリ。誰しも聞いたことがあると思います。

それを象徴するように、パリの観光ガイドの写真などは、街角のカフェに上手く花を写しこんで、綺麗な街を創造させます。

では実際はどうなのでしょうか?

「花の都に騙されて」というエッセイがあります。実は花は花でも「華」、つまり「華やかな都パリ」というのが、正しい様です。マリーアントワネットの時代に象徴される、ベルサイユ宮殿や、凱旋門。世界のモードのトップを行くパリコレなど、華やかさが先行しているからでしょうね。

パリの街には、ブローニュの森・ヴァンセンヌの森と市内を東西に別けた大きな森があります。しかし、市内には建物が密集しており、ほとんど公園というものが有りません。実はパリの街中には緑化が非常に少ないのです。

実際にはそうでも無いようなのですが、緑化面積を計算する基準にもよるのかもしれませんが、ヨーロッパ諸国の他の街から比べると、非常に少ないそうです。また人口密度が高いのも、一人あたりの緑化面積が狭くなっている原因かとも思います。

建物が密集しているために、緑地を増やすことは困難ですから、目が行くのはどうしても屋上や壁面になります。

フランス議会は2015年に、商業地域内にあらたに建造物を建てる際には、屋上を一部緑化もしくは太陽光発電のパネル設置をしなければならない法案を決議しました。

環境保護の観点から緑化を全てにしたかったようですが、一部の緑化もしくは太陽光パネルでもOKというところに留まったようです。そもそもの目的は、やはり夏場の太陽光を遮断する効果で、建物内の気温を下げる作用はもとより、ヨーロッパ各地で盛んな、雨水を一旦緑化に含ませて、一度に大量の雨水が流れ出る事を防止する作用。

そして、もう一つの緑化の目的。野生の鳥がすみつく、生物多様性が期待される。この3つが義務化の主題だそうです。

日本で緑化と言えば、ヒートアイランド現象の緩和や太陽光の遮熱が取りざたされていますが、生物多様性については議論されてはいるものの、遅々として進んでいないのが現状です。

生物多様性は環境保護、環境の再構築とも言える素晴らしい計画と思います。緑が少ないから植えればいい。という安易な考えにおさめず、環境をもとにもどす。この考えが日本国内でも普及すればよいと強く思います。

 

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