設計者から見た壁面緑化のポイント Vol.3
太田昭宏国土交通相は2013年9月20日の閣議後会見で、JR函館線の大沼駅でJR貨物が運行する貨物列車が19日に脱線事故を起こしたことについて「JR北海道については、すでに精神論でどうこうという段階ではなく、具体的な事故原因を丁寧に見て、対策に乗り出さなければならない」と述べたと報道されています。 記事出典 Response.
誰かがするだろう、誰かに任せておけばそれで良い。と言うような責任所在が曖昧な体制が招いたと思われる、JR北海道の脱線事故の原因となった保線管理。
これらは対岸の火事ではありません。我々緑化に携わるものでも、重要な事であります。
JR北海道の例を鏡にして取り組んでいかなければなりません。
壁面緑化での問題点をリスクヘッジする
壁面緑化は建物の外壁に設置させます。
安全第1を考えないと、落下・脱落など数年後に大変な問題を引き起こす可能性があります。
では実際にどういう問題が発生するのでしょうか
1 植物の選定と規格
2 植栽土壌の選定と植栽方法、植物の設置後のメンテナンス(剪定・病害虫等)について
3 システムの取付方法、特に固定ピンの仕様と設置の安全性
4 潅水等の生育維持に必要な設備の程度
壁面緑化は現場施工段階で同等品に置き換わり、当初の設計意匠と代わる
場合もあります。
壁面緑化でよく見られる壁面緑化資材の設置業者と、植栽業者が異なる場合が多く、完成後の仕上がり品質については、責任の所在が曖昧なことから、発注元が責任を負うことが圧倒的です。
責任不在で工事すると、1年後の引渡検査時の指摘事項として、「年数を経過しても、植物の生育が悪い」、「隣地にはみ出す」、「枯損した」等のトラブルが発生しやすい緑化と言えます。
これを防ぐには、壁面緑化の基材と植物、植栽土壌等の知識を総合的に助言ができる緑化メーカーの基材を選定し、組合せ品質を診断できる「セカンドオピニオン」として指導を受けることが必要です。
1〜4の問題について、緑化業者と打ち合わせして、仕様を固めることが重要です。
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